元税務担当がこっそり教える 確定申告が間に合わない時のマル秘対処法
今年2020年の確定申告期限は
3月16日(月)です。毎年の確定申告が煩わしく感じて期限ぎりぎりまで放置される方も多くいらっしゃいます。確定申告はその内容によっては複雑で時間がかかるものもありますが、会社員や公務員のようなサラリーマンの申告書はとても簡単で短時間で作成することが可能です。
それでも確定申告が期限ぎりぎりで間に合いそうにない場合のマル秘テクニックについて、元税務担当として確定申告の担当に従事した経験をもとにお教えいたします。
目 次
1. 確定申告作成が間に合わない時のテクニック
申告期限は3月15日が通例ですが、 今年2020年は15日が日曜日のため、
申告期限は3月16日(月)となります。
確定艇申告は難しくてややこしいイメージがあるため、毎年どうしても期限ぎりぎりまで放置される方も多いです。
実際に私が某市役所で確定申告の対応をしていた時も期限前の1週間は集中してかなり多くの申告書が提出されてきました。(担当としては地獄の1週間でした)
申告期限ぎりぎり作成作業を始めると、添付書類が間に合わなかったり、入力そのものができなかったりすることで提出ができない最悪の結果となることもあります。
作成の時のテクニックや添付書類のテクニック等、税務担当しか知らないようなマル秘テクニックを以下にご説明していきます。
1.1 確定申告の入力テクニック(注意点)
会社員や公務員であれば基本的には、年末調整されているので、申告するとすれば扶養控除や生命保険控除、医療費控除等の追加の申告がほとんどでしょう。
申告書作成の際は源泉徴収票のとおりに入力できていれば他はそれほど気にすることはありません。実際は入力の際に多少計算が間違っていても役所のチェックはスルーします。役所も全ての項目をチェックするだけ人員と時間がありません。
実際に私が確定申告の担当をしていた時は源泉徴収票どおりに入力されているかと扶養等の控除入力のみのチェックしかしていませんでした。
個人事業主の方であれば基本的には一定額以上の売り上げがないと細かくは内容をチェックされることはありません。特に市区町村の担当は売り上げや経費には興味がありませんし、チェックもしません。
1.2 確定申告の添付書類(源泉徴収票やマイナンバー関係)
【源泉徴収票がない場合】
給与収入のある会社員や公務員等の方は、以前は申告書へ源泉徴収票を添付する必要がありましたが、2019年4月1日以後の申告については源泉徴収票の添付は必要なくなりましたのて添付は省略して下さい。
源泉徴収票が手元にない方は、年収や控除額を覚えている範囲でとりあえずざっくりと入力して提出して下さい。例え入力ミスがあったとしても、後日市区町村が職権で訂正してくれます。役所にはあなたの勤務先から別途源泉徴収票が送付もしくはデータ送信されていますので間違っていても正しい数値に直せれるのです。
【マイナンバー書類がない】
確定申告へのマイナンバー入力が必須になったことによって多くの方がめんどくさいと思っているのは事実です。それはマイナンバーカードを発行していなかったり、通知カードを紛失している方が多いことが理由です。しかも自分のマイナンバーの番号なんて普段から覚えている人はいないので確定申告作成の際にこれが原因で提出が間に合わない方がかなり多いです。マイナンバーは本当にめんどくさい制度です。
確定申告書には、【マイナンバーカードの写し】若しくは【通知カードの写しと個人を証明する住民票や免許証の写し】を添付することが必須ですが、手元にマイナンバー関連の書類がない場合や役所へ行く時間さえもない方は添付をせずに申告書を郵送して下さい。
添付がなくても郵送であれば税務署や役所は受付します。なぜかというと本当はマイナンバーは必要ではないからです。マイナンバーは個人を識別するための情報として最終的に利用する場合がありますが、基本的には利用しません。個人の識別には、住所と生年月日で十分だからです。
私が某市役所で確定申告の担当をしている時に一番多い問い合わせがこのマイナンバー関連の問い合わせでした。「マイナンバーの書類がないけど受付してくれますか?」と聞かれたら役所はダメですと答えるしかありません。しかし、郵送されてきたらそのまま受付します。いちいち電話して催促するのが面倒だし必要ないからです。
【マイナンバーがわからない】
マイナンバーの書類は最悪なくても大丈夫ですが、ネットで入力して確定申告を作成する場合は、マイナンバーがわからないと作成を完了できません。これは本当に最終手段ですが、ご自身の番号がわからない場合は、家族の他の番号をとりあえず入力して作成するしかありません。役所は確定申告に記載されたマイナンバーを照合することはありませんのでこれで通ってしまうのです。ご心配であれば後日間違っていたことを伝えればいいだけです。
1.3 売上や経費がわかる書類がない
提出期限に間に合わないよりましなので、前年と大きな変動がないのであればとりあえず前年の申告書を参考に売り上げと経費を入力して下さい。
後日、修正申告もしくは更生請求をして正しい申告書を提出すれば大丈夫です。
誰でもうっかりミスはありますので。但し、最初の申告を出してから何か月もの長い期間放置しているとうっかりミスではなく悪質で意図的だと判断される場合もあるので早めに修正して下さい。
2. まとめ
確定申告の提出が期限内に間に合いそうにない場合はとりあえずわかる範囲で入力して提出して下さい。後から修正はできますので。
多少入力ミスや計算ミスがあっても税務署や市区町村はそこまでチェックしていないので大丈夫です。人的な問題でそこまでチェックできないのです。
源泉徴収票がない場合は、覚えている範囲で年収や扶養、保険控除等をざっくりと入力して下さい。後から修正もできます。
添付書類のうちマイナンバー書類がない場合は、添付せずに郵送提出して下さい。添付がないからといって問いただされることはありません。窓口提出だとはじかれる場合がありますが郵送だと大丈夫です。
マイナンバーの番号さえも分からない場合はとりあえず家族の番号を流用して下さい。
役所は最終的にはマイナンバーで個人識別をすることもありますが、住所と生年月日で識別しますのでマイナンバーを照合することはまずありえません。
例え間違っていても連絡することもありません。実際に私が税務担当をしている時に間違いを指摘することはありませんでした。